【変革会議】時代に合った組織変革とは
サイボウズは、かつて離職率28%という深刻な事態に悩まされていました。
しかし大規模な組織改革に踏み切った結果、自律型組織と多様な働き方の実現を軸に、離職率を3%まで改善させたのです。
ここでは、改革前の課題とそれを乗り越えるために打ち出した戦略、そして企業文化の変化がもたらした効果を分かりやすく紹介します。読めば、組織変革のリアルなプロセスとその醍醐味を存分に感じていただけるでしょう。
2005年前後のサイボウズでは、年間で従業員の4人に1人以上が会社を去るという状況が常態化していました。
この高い離職率は、長時間労働や管理職の暗黙ルールに起因していた部分が大きいとされています。
たとえば上司より先に帰りづらい雰囲気や、「ベンチャーだから休まずに働いて当たり前」という考えが根強く残っていたことが、人材流出の要因になっていました。結果として、優秀なメンバーだけでなく、多様なバックグラウンドを持つ人材も定着せず、組織はやがて成長停滞のリスクにさらされます。
高い離職率は会社の将来性にも影響を及ぼし、組織全体で抜本的な改革を求める声が強まっていったのです.
サイボウズは当時、品質保証部や開発部などが縦割り状態でコミュニケーションを取っていました。
この職能型組織のデメリットとして、意思決定が煩雑になり、迅速に開発を進められないという深刻な弊害が表面化します
たとえば、ある機能のリリースを検討する際でも「まずは部長に相談」「次は他部署の責任者に承認申請」という手順を繰り返し、チャンスを逸してしまうケースが多かったのです。
こうした遅延は、スピードが求められるアジャイル開発には大きな痛手であり、プロダクトの競争力低下につながっていました。
もうひとつ大きな壁となっていたのが、情報の非対称性でした。
上層部と現場のあいだで経営情報が十分に共有されず、従業員が「会社の方向性が見えない」と感じることがしばしば起きていたのです。
こうした状況では、現場のメンバーが重要な意思決定に参画しにくく、業務改善のアイデアや問題意識が経営陣に届きにくくなります。
さらに、一部の管理職だけが意思決定権を握る構造が固定化され、風通しの悪い組織文化が蔓延していました。
結局、社員同士の連携ミスや、部門を越えたコラボレーションの停滞が続き、チャレンジ精神を失った環境を生み出してしまっていたのです。
2019年、サイボウズは思い切った取り組みとして開発部門のマネージャー職を一時的に廃止し、現場主導の意思決定を促しました。
従来は上司の承認を待つだけだった開発チームが、予算配分やリリース判断を自ら行えるようになり、スピード感とオーナーシップが格段に向上したのです。
その結果、新機能を数日単位でリリースできるほど業務効率が上がり、メンバーのモチベーションも急上昇しました。
しかし、完全フラット化の状態が長く続くと、多数のプロジェクトを横断的に調整する仕組みが不足することや、キャリアパスが不透明になりやすいという副作用が露呈します。
そこで2022年にはマネージャー職を再導入し、フラット型と階層型の良い面を併せ持つハイブリッドな組織モデルを模索し始めました。
高い離職率を克服するためには、多種多様な従業員が継続して働ける制度設計が不可欠と考えられました。
そこでサイボウズは「100人いれば100通りの働き方がある」という方針を打ち出し、テレワークやフレックス制度を大幅に拡充します。
出社と在宅を組み合わせる「ウルトラワーク」プログラムでは、週のうち数日をリモートにするだけでなく、就業時間帯までも従業員の状況に合わせて選択可能にしました。
この柔軟性によって、子育てや介護を抱える社員でもキャリアを諦めることなく続けられるようになり、実際に育児休業からの復帰率は95%を超える水準へと上昇しています。
制度的後ろ盾が、心理的安全性の高い職場づくりにも大きく貢献しています。
組織の停滞を打破するために、情報開示の徹底も革新の柱となりました。
経営指標や財務データを全従業員に公開し、社内向けSNSやwikiを活用することで、誰でも必要な情報に素早くアクセスできる体制を整えたのです。
この取り組みは、経営やプロジェクトの状況を可視化するだけでなく、自分の意見が経営層に届きやすくなるという心理的効果ももたらしました。
とりわけに四半期ごとに開かれる全社ミーティングでは、社内からの質問をリアルタイムで受け付ける形式にしており、経営トップがその場で回答します。
これによって従業員の信頼感が高まり、エンゲージメントスコアも2020年度には85%前後まで上昇しています。
離職率と同時に課題となっていたのが、 人材の硬直化でした。
そこでサイボウズは、異業種出身者や外国籍のエンジニアを積極的に採用する方向へ舵を切り、2018年以降は中途入社の割合を全体採用の40%以上に保つようにしています。
さらに、新たに迎えた人材がスムーズに組織へ溶け込めるよう、メンター制度を整備しました。
経験豊富なシニアメンバーが業務スキルだけでなく、会社のカルチャー面でも細かくサポートする仕組みで、OJTが形式的になりがちな課題を克服しています。
これによって、入社半年以内の離職率は従来の15%弱から5%未満に低下し、結果的にさまざまな専門性や文化的視点を吸収する下地が整えられました。
人材の多様性はイノベーションの源泉でもあるため、企業としての競争力向上にも大きく貢献していると言えます。
大規模な組織改革に着手する前、サイボウズは深刻な人材流出と新製品の開発停滞に苦しんでいました。
しかしマネージャー廃止の実験やテレワーク制度の拡充、情報公開の徹底を通じて、企業風土が大きく変化します。たとえば離職率は28%から3%へ激減し、働きがいのある会社ランキングでも上位常連となりました。
一方、開発面ではアジャイル手法の導入効果が明確に現れ、リリースサイクルが従来の1。5倍以上に短縮されたことで、競合に先駆けて新機能を市場に投入できるケースが増加しています。
さらに多様性を重視した採用戦略によって、女性管理職比率も拡大し、外国籍エンジニアの数は2016年時点の数名から30名以上に増えました。
従業員エンゲージメント調査では、改革前と比べて「社内コミュニケーションに満足している」と回答する率が2倍以上にアップし、組織内での連携意識が劇的に向上しています。
こうした変化の積み重ねにより、サイボウズは単なる成長企業から「人と組織を中心に据えたデジタル企業」へと飛躍を遂げたのです。
引用元:レアリゼ公式HP https://www.realiser.co.jp/
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富士フイルムやベネッセ、ソニー、NTTといった日本を代表するさまざまな大手企業の人材育成に関与していることが、レアリゼの人材育成・研修の質の高さの証明と言っても過言ではないでしょう。
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