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キリンビールの組織改革成功事例

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キリンビールは長年にわたるビール類市場の競争激化や、社内組織の硬直化という問題に直面していました。

課題を乗り越えるべく、大規模な改革を断行し、顕著な成果を上げています。

ここでは、改革前に抱えていた組織的な問題点と、その解消を目指した企業風土改革の取り組みを詳細に紹介します。

新しい働き方の推進やリーダーシップ開発など、多岐にわたる手法を通じて、従業員の意欲や会社全体の生産性がどのように向上していったのかを、分かりやすく解説していきます。改革の背景と結果を掘り下げることで、キリンビールの変革プロセスから学べる点がきっと見つかるはずです。

キリンビールが抱えていた組織的な課題

多様化する市場への対応不足

2010年代に入ると、国内ビール市場はクラフト系やノンアルコール飲料など、多様なカテゴリーの製品が台頭し始めました。

消費者の嗜好変化が加速する一方で、キリンビールの新商品投入は量こそ多かったものの、各ブランド同士の競合を恐れるあまり、真に市場のニーズを捉えきれない状況が続いていました。

結果的に、ヒット商品が生まれにくくなり、シェアトップの座から11年もの間遠ざかりました

この危機感が、同社の改革ムードを醸成する大きなきっかけになったと考えられます。

ビール類以外の成長分野においても研究開発投資が後手に回り、消費者からの期待に応えられないケースが目立っていました。

部門間コミュニケーションの停滞

変化への対応力を落としていたもう一つの要因が、部門同士の連携不足です。

2015年の組織診断では、部門横断的なプロジェクトがスムーズに進まないことや、他部署の情報を共有する仕組みが十分に機能していないと指摘されています。

実際、当時のコミュニケーション指数は100点満点中38点にとどまり、意思決定にも平均45日を要していました

遅延は新規事業のスピード感や柔軟性を奪い、年間12件ほどの新規提案のうち、実際に形となったのはわずか5%以下という低実行率に終わっていたのです。

必要性を感じながらも、従来の縦割り構造が壁となり、協力体制を築けない状況が続いていました。

年功序列とキャリア不透明感による人材流出

さらに大きな課題として、年功序列制度が根強く残っていたことが挙げられます。

若手社員の中には「頑張っても評価されにくい」という不満を抱く層が増え、30代管理職登用率は2.3%と業界平均の半分以下に落ち込んでいました

ダイバーシティ推進の面でも、女性管理職比率が3.2%にとどまるなど、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍しにくい環境が続いていたのです。

このような閉塞的な風土は、社内外から優秀な人材を呼び込むどころか、既存社員のやる気を損なう原因にもなっていました。

キリンビールの企業風土改革のアプローチ

リーダーシップ強化による活性化

キリンビールはリーダーシップ開発を体系化することで、組織全体の活性化を図りました。

具体的には、トップリーダーを対象とした360度評価を年2回実施し、「戦略的思考力」や「エンパワーメント能力」などの観点から多角的にフィードバックを行います。

評価結果をもとに個別の育成計画が作成されるため、リーダーは自らの強みと課題を客観的に把握できるようになりました。

この方法は一部の研究でも、管理職の支援意識を高める効果が実証されており、実際にキリンビールでも、リーダーの変革型リーダーシップスコアが上昇した部署ではイノベーション提案数が増加しています。

育成制度の充実は、組織における意思決定や新規プロジェクトの推進力を底上げする大きな力となりました。

柔軟な働き方とキャリア支援

新しい企業風土をつくる上で、働き方改革も重要な柱となっています。

キリンビールは「KIRIN Work Style 3.0」を掲げ、在宅勤務の回数制限を撤廃し、育児・介護休暇の要件を緩和するなど、従業員がライフステージに合わせて働き方を選べる施策を次々に導入しました。

これにより、ワーク・ライフ・バランスに対する満足度が67%から82%へと大幅に向上しています。

一方で、キャリア開発にも力を入れており、女性リーダー候補者を対象とした「キリン・ウィメンズ・カレッジ」や障害者雇用プログラムなど、多様性を尊重した教育や研修制度が拡充されました。

結果的に、女性管理職の比率は2015年時点の3.2%から2022年には10.24%へと伸長し、組織の多様性と生産性を同時に高める取り組みにつながっています。

イノベーションを生む環境づくり

この改革では、若手社員の創造性を引き出すための仕組みづくりも重視されました。

代表例が「キリンアカデミア」で、年4回開催される新規事業ワークショップを通じ、社員が自由にアイデアを発表・検討できる場を提供しています。

心理的安全性を高める取り組みが奏功した結果、2019年から2023年にかけて提案された23の新規事業アイデアのうち、5件が商品化に至っており、合計で58億円の売上高を生み出しました。

失敗を恐れずに挑戦できる風土が醸成されたことで、新しい市場を切り拓くスピードが格段に増しています。こうした実践の積み重ねは、若手が自社の未来を担う主体的なリーダーへと育つ契機にもなりました。

専門性とグローバル視点の強化

企業としてのさらなる成長を見据え、人材育成は国内にとどまりません。

中間管理職を対象とした「グローバルリーダー養成塾」では、シンガポールやロンドン、サンフランシスコなど海外拠点での研修を必修化し、国際的な視点を育む機会を提供しています。

参加者の78%が3年以内にグローバルプロジェクトのリーダーに選ばれるなど、その成果はすでに数字で裏付けられています。

また、研究開発を担う技術系社員向けには「ものづくり人財開発センター」が設立され、醸造技術からAI活用まで132科目の専門講座を開設。製造現場での技能継承率は89%に上昇し、特許出願件数も業界平均の約1.8倍に増えています。

専門性を深化させながらも、世界のマーケットに適応できる幅広い人材の育成を同時に進めたことが、キリンビールの競争優位につながりました。

組織改革の効果

キリンビールの挑戦は、多方面にわたる成功につながりました。

たとえば、ビール類市場では2020年に11年ぶりとなるシェアトップ奪還を果たし、ノンアルコール飲料の成長率は市場平均の7.2%を大きく上回る14.5%を記録しています。

他にも、従業員のエンゲージメント調査では72%という高い数字が示され、現場のモチベーションが大幅に向上しました。コミュニケーション指数も改善し、部門間協力度に関する評価は従来の3.8ポイントからさらに伸長しつつあります。

リーダーの統率力が高まったことで、新規プロジェクトの立ち上げや意思決定のスピードが増し、新しいアイデアが活かされる土壌も整いました。

こうした波及効果は人的資本にも及び、MBA取得者が年間15名から45名へ、グローバルプロジェクト参画者が3倍以上に拡大するなど、組織全体としての学習力と挑戦力が底上げされています。

結果、1人あたり付加価値額は2015年の1,250万円から1,780万円へと大幅にアップし、企業としての持続的な成長基盤が着実に強化されました。

まとめ

課題(改革前)

  • 1
    市場対応の遅れ:クラフト・ノンアルの拡大に乗り切れず、新商品は量先行で刺さらず。2010–2019にシェア首位から遠ざかる。
  • 2
    非ビールR&Dの後手:成長領域への投資が遅れたとの指摘。2010年代
  • 3
    部門間連携の不足:横断PJ停滞・情報共有不全。組織診断2015でコミュニケーション指数38/100、意思決定平均45日、年内新規提案実行率<5%。
  • 4
    年功序列・多様性不足:評価の不透明感で若手の士気低下。2015 30代管理職登用率2.3%(業界平均の約半分)、女性管理職3.2%。

効果(改革後)

  • 1
    業績・市場2020 ビール類シェアで11年ぶり首位奪還。ノンアル成長率14.5%(市場平均7.2%)。
  • 2
    組織エンゲージメント:グループ実績71%(2024)。WLB満足67%→82%。連携・コミュニケーション指標も改善。
  • 3
    イノベーション2019–2023 新規事業23件中5件を商品化、累計売上58億円。意思決定・立上げスピード向上。
  • 4
    人材・多様性:女性管理職比率3.2%→10.24%(2015→2022)。女性経営職15.9%(2024)。MBA取得者 年15→45人、グローバルPJ参画は3倍超、特許出願は業界平均の約1.8倍。
  • 5
    生産性:一人当たり付加価値 1,250万円→1,780万円(2015→2022)。
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引用元:レアリゼ公式HP https://www.realiser.co.jp/

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